内科全般と透析治療に加え、循環器疾患の専門診療、心臓リハビリも実施。入院病棟も設け、地域の幅広い医療ニーズに対応
現在、どのような患者が多く来院されていますか?

若い世代から高齢者まで幅広く受診されていますが、患者さんとして多いのは、やはり糖尿病や高血圧、脂質異常症といった生活習慣病を抱えるご高齢の患者さんですね。最近は、心筋梗塞や狭心症などの心疾患で、循環器内科や心臓リハビリテーションを受けにこられる方も増えています。
また、当院は透析ベッドが35床あり、長年にわたり安全で質の高い人工透析医療を提供しています。外来維持透析患者さんや透析導入初期の患者さんの苦痛や不安をできる限り軽減し、専門スタッフが一人ひとりの状態に合わせてサポートしています。
貴院には入院施設もあるそうですね。
はい。要介護者で長期にわたって療養が必要なご高齢の方のための「介護医療院ふくしま」を併設しているのも大きな特長です。介護病床は10床あり、透析治療を含めて介護度の高い患者さんが利用されています。さらに、一般病床も9床設けており、主に入院加療が必要な患者さんや、大学病院で急性期治療を終えた後、心臓リハビリを受けられる患者さんなどが入院されています。
先生が特に力を入れている疾患や診療はありますか?
私の専門である循環器内科は、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、心不全、不整脈から、大動脈瘤、大動脈解離症といった大動脈疾患まで幅広く診療しています。すでに発症されている方だけでなく、循環器疾患の多くは高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が原因となっているため、生活習慣病の早期発見と治療・管理にも力を入れていきたいと考えています。
糖尿病に関しては、院内で血糖とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を測定し、当日の結果で薬の調整や食生活のアドバイスなどを通じて全身管理に努めています。その他の生活習慣病についても同様に、患者さんの生活環境などをふまえて適切な治療をご提案しています。
心臓リハビリテーションについても教えてください。

心不全や心筋梗塞などを発症した患者さんは、急性期を乗り越えても息切れやしんどさから日常生活の活動が低下し、筋力が衰えてさらに活動が低下するという悪循環に陥ることがあります。心臓リハビリテーションでは、有酸素運動や筋力トレーニングなどの運動療法に加え、栄養療法や生活指導を行って運動能力を回復・維持し、日常生活の質や活動度の改善を目指します。
当院では、私が診療から個別プログラムの作成、心臓リハビリの指導まで一貫して行っています。患者さん個々の状態に合わせた運動プログラムでリハビリをサポートしますので、安心してご相談ください。
医療機器はどのようなものを導入されていますか?

診断に必要な検査機器は一通り揃えていますが、CTは短時間で高精度な画像を撮影できる最新の16列マルチスライスを導入しました。院内でCT検査を実施することによって小さな病変も見つけやすくなり、原因不明の症状の場合でもより迅速で一歩踏み込んだ診療ができる点も強みだと思います。
ほかにも、心電図やレントゲン、頸動脈、胸部、腹部など全身を検索できる超音波(エコー)検査、動脈硬化の程度を調べるABI検査、骨密度測定検査などを行う体制を整え、スムーズに治療が始められるようにしています。